アメリカンコーヒーの由来と英語表記、本当にアメリカのもの?

前回の記事で、アメリカンコーヒーは
焙煎の浅い豆を使ったもの、といいました。

さらに、日本では軽くて薄い珈琲全般のことを
いう場合もあります。


では、果たしてアメリカでは
本当に軽くて薄いコーヒーを飲んでいるのか、

由来として正しいのか?

これは、半分正しくて、
半分は違うということになります。



なお、前回の記事はこちらです。
アメリカンコーヒーとはどんな意味?カフェインに注意


由来や英語での言い方については、
続きをご覧ください。



どういった由来か


もともとアメリカでは、
紅茶をよく飲まれていましまが、
18世紀のイギリス植民地時代の茶葉の重税に反発して
不買運動が起き、代わりに
コーヒーが普及していきました。

イギリスの船に積んでいた茶葉が海に捨てられる
ボストン茶会事件(1773年12月16日)など、
アメリカの独立運動のきっかけにもなる話ですが
あまり詳しくしても話がそれるので、ここでは割愛、

ともかく当初は紅茶の代わりに飲まれていたので、
お茶感覚で飲めるよう、焙煎の浅い、
軽い味のコーヒーが一般的になりました。



この飲み方を、日本の喫茶店が
「軽くてたくさん飲めるコーヒー」
として売り出したのが
アメリカンコーヒーの由来です。



焙煎について、詳しくは
こちらもご覧いただければと思います。
焙煎の意味を知ってコーヒーの味も知ろう!


日本における意味は


ここまでなら特に問題ないのですが、
ご存じのように日本では軽いというよりは、
薄いコーヒーとして認知されています。


焙煎の度合いで軽い味にするなんて
面倒なことはせず、単純にお湯で薄めて
飲んだりされるようになりましたが、
アメリカではそんな飲み方はされていません。


あくまでも焙煎の浅いコーヒーということで、
それも浅煎りの豆と水質の相性といい西海岸、
(西海岸の水はアルカリ質が強く、浅煎りの豆が向く)
東海岸では深煎りの珈琲も飲まれています。


そもそも、アメリカンコーヒーという
呼び名自体が、日本人が考えたものです。


高度成長期の日本では
アメリカの影響が大きかったので
アメリカンコーヒーという名前が
先進的なイメージととらえられたのでしょう。


薄めのコーヒーを売り出そうとしたが
「薄い」という言葉が受けなかったため
アメリカンと言い換えたらヒットした、
これがアメリカンコーヒーの由来
という説もあるくらいです。

この場合、意味としては単に薄いコーヒーですから
アメリカ由来というよりは
日本オリジナルの飲み物に近いです。


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英語ではなんというか


アメリカンコーヒーを英語で書くと
「american coffee」となりそうですが
先ほども述べた通り、この言葉自体が
日本で作られたもの、いわゆる和製英語です。

アメリカではそのような言い方はありませんので
これでは通じません。


向うでは
レギュラーコーヒー「regular coffee」と言えば
日本でいうところの浅煎りの豆を使った
アメリカンコーヒーになります。



薄いコーヒーという意味では
「weak coffee」
ですが、
向うでこういえば、日本でのアメリカンよりも
さらに薄いものが出てきます。

反対に、濃いコーヒーは
「strong coffee」となります。


なお、国によっては
「アメリカーノ」という言い方がありますが
これはエスプレッソをお湯で薄めたものなので
わたしたちの知っているアメリカンコーヒーとは
若干意味が違います。


結局どう言えばいいか


このように意外と複雑な意味のある言い方です。
ややこしいですね。

僕は濃いコーヒーのほうがすきなので
アメリカンコーヒーはあまり飲まないのですが
軽めのものが好きな人は言い方が難しそうです。


昔ながらの喫茶店に通っている人には
なじみのある言葉ですが
最近のカフェではあまり使われなくなっているので
無理にアメリカンコーヒーという言葉を使わず、

「薄めでお願いします」とか
こだわっているお店なら
「浅煎りで」といった言い方をするといいでしょう。


あと前回の記事
アメリカンコーヒーとはどんな意味?カフェインに注意

こちらを読んだら人は分かると思いますが
「薄め」と「浅煎り」では
意味合いが異なりますので
特にカフェインを気にする人は気をつけてください。

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