結局コーヒーの深煎りと浅煎りどっちがいいのか?
あるていどコーヒーにくわしい人たちが話すとき、よく話題になるのが
「コーヒーは浅煎りと深煎りどっちがいいか」
というものです。
そんな話をしている人を見かけることありますね。ないですか? でもそのうちあると思いますよ。
これは犬と猫とどっちがいいかみたいに個人の好みがぶつかりあって、たいへん面白い話ではあります。
しかし、あまりこういった話をうのみにするとわけが分からなくなますので、今回はそれについて話をします。
もくじ
どっちがおすすめ?
単純に自分の好みだけで言うなら、僕は深煎りのコーヒーが好きなので、「深煎りコーヒーおすすめ」ということになります。深煎りばんざいです。
しかしこれでは自分の好みを押しつけているだけですね。
そうではなく、まじめに「人にすすめるのはどちらか?」と聞かれた場合は
1.どちらでもいいから、自分のおいしいと感じるほう
2.もしお店の人がどちらかをすすめたら、それにする
3.分からなければ、やはり「深煎り」がおすすめ
2.もしお店の人がどちらかをすすめたら、それにする
3.分からなければ、やはり「深煎り」がおすすめ
と答えます。
なんだかなげやりな答えに見えますが、理由はつぎのとおりです。
そもそもどう違うのか
コーヒーの浅煎りと深煎りの違いをごく簡単にまとめると
浅煎り
・酸味が強い
・軽めであっさり
・酸味が強い
・軽めであっさり
深煎り
・苦味が強い
・濃厚でコクがある
・苦味が強い
・濃厚でコクがある
です。
おなじコーヒーでもまったく傾向が違いますね。
もし誰かに「私は桃とイチゴのどっちを食べたらいいでしょう?」と聞かれたら「どっちでもいいから好きなほう食べな」と答えるかと思いますが、コーヒーにおける浅煎り深煎りもそれに近いものがあります。ようするに好みの問題です。
「酸味があって軽やか」な味が好きなら浅煎りでしょうし、「苦味とコク」が好きなら深煎りです。どっちがいいのか分からなければ「中煎り」という、中間のものを選ぶといいです。
とりあえずこれで大丈夫です。
ここからは少々踏み込んだ話と自分の体験談です。長いので興味のある方は読んでいただければと思います。
人にあれこれと言われるのだけど?
そうですね、いろんなお店に行っていると、浅煎りや深煎りのどちらかをすすめられることが多いです。
これがさっきの僕のように、自分の好みをごりごりと押しつけているだけなら、あまり相手にせず自分が好きなものを注文すればいいでしょう。
しかし本当に詳しい人、とくにコーヒー豆屋さんや喫茶店、カフェのご主人、つまりプロがすすめてきた場合、せっかくの話を聞き流すのは少々もったいないですよね。かといってマジメに聞いているとお店によって言うことが違って混乱するかもしれません。
そこで僕が見聞きした話をまとめておきますので、参考にしてみみてください。
浅煎りコーヒーこそ本物の味?
僕はすっぱいものが苦手なので、いつもは深煎りのコーヒーを飲んでいるのですが、あるとき気分を変えて浅煎りのコーヒーを飲んでいたら、こんなことを言われました。
「コーヒー豆は果実なので、本来酸味があるものなんです。だから酸味のある浅煎りが、豆のもっている風味を生かせられますよ」
たしかにこの店のコーヒーはフルーツを溶かしこんだような、新鮮なみずみずしさがありました。
それはもちろんいいのですが、続いてのお話がこれ。
「浅煎りの豆は新鮮なぶん、品質を保つのが難しいのです。だから管理の手間をはぶくために、どうしても深煎りにしてしまうお店が多いのです」
これは「えー!」ですよ。
だって僕は今まで深煎りコーヒーをおいしいおいしいと飲んでいたのですが、つまり「管理の手間をはぶいたコーヒー」を飲んでいただけということになります、
そういえば
「浅煎りの豆こそ真のコーヒー」
「浅煎りが最高」
「深煎りの苦味はコゲているだけ」
「深煎りなんて手抜き」
みたいな話を見聞きしたことがあります。
深煎りコーヒーが好きな僕としてはさんざんです。手抜きで、コゲたコーヒーをおいしいおいしいと飲んでいたのでしょうか。
ところが、別の店ではこんなことを言われました。
深煎りこそ真に味わい深いコーヒー?
「コーヒーの味を追及すると、やはり深煎りに落ち着く。しかし深煎りは難しい」
これもおもしろそうな話です。
「豆を火にかけるとパチンとはじける音がするが、ここで取り出すと浅煎り。さらにもう一度パチンとはじけると中煎りになる」
「ところが三度目にパチンとはじけると、もうだめ。深煎りの焙煎をするには、この焦げてだめになる直前を見極める必要があり、それには熟練の技術がいる」
かなり昔に聞いた話なのでこまかいところは違うかもしれませんが、ようするに「深煎りのほうが技術がいる」ということでした。
そのお店のコーヒーは濃厚で、とてもまろやかな味だったので、これもまた説得力があります。コゲた風味なんてありません。
そういえば
「深煎りこそツウの味」
「深煎りは職人の技」
「浅煎りは生焼けなだけ」
「浅煎りなんて未熟者」
こういう話も聞いたことがあります。
深煎りコーヒーを好んで飲んでいる僕にとっては、「あなたは本物の味を知る人」と言われているようで、たいへん心強い話ですが、それにしてもさっきの浅煎りの人とずいぶん言っていることが違いますね。
これはどっちが正しいのか? とか考えだすと、わけがわからなくなります。おそらくどっちも正しいのでしょう。
だから自分がおいしいという味をそのまま飲んでいればいいと思います。
「あんたの好きなコーヒーは『生焼け』『コゲ』」などと言われると気になるかもしれませんが、それは浅煎り深煎りどうこうというより、そんな品質の豆をだすお店の問題です。
腕のいい人が用意したコーヒーはどんな焙煎だろうと生焼けもコゲた味に感じることはないです。
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お店の人の言うことも大切
いっぽうで、たとえ「自分の好みが大切」とはいえ、僕がさきほどの浅煎りコーヒーをすすめする店で
「いいや! 深煎りこそ正義!」
とか主張することに意味があるか? おそらくないでしょう。
おすすめしてくるからには、少なくともそのお店ではその味を追及しているわけですから、よほど好みが合わないかぎりは素直にしたがったほうが、おいしいものにありつけます。
「自分の好きなものを飲む」には、どこに行っても自分の好みを主張しまくるより、はじめから自分の好みの味を出してくれる店にいくほうがいいと考えます。
桃が好きだからといって、イチゴ畑で「モモだせー」とか言うより、おとなしくイチゴを食べるか桃をつくっているところにいくほうがいいですよね。
どうしても口にあわないなら無理する必要はないですが、深煎りにせよ浅煎りにせよ、出来ればそのお店が得意とするものを飲んだほうが楽しいです。
よく分からなければ深煎りが無難
さて、最初に「よくわからなければ中煎りがおすすめ」と言いましたが、それでは無難すぎて少々おもしろくない、個性のある味を飲んでみたい、という場合。
この場合、個人的には深煎りから試すのがいいと考えます。
理由はさっき浅煎りをおすすめする人が言った
「浅煎りの豆は管理が難しい」というところで、ぎゃくにいえば「管理がよくない浅煎りの豆」は飲めたものではないからです。
浅煎りの豆は当たりはずれが大きいように感じます。信頼できる店ならそんな心配は無用なんですけど、「……この店は大丈夫か?」という場合、ちょっと注文するのに勇気がいります。
いっぽうの深煎りの豆は管理が簡単というわけでは決してないのですが、こちらは多少古くなってもなんとか持ちこたえてくれることが多いです。
コンビニやチェーン店のコーヒーに深煎りのものが多いのも、これが理由なのかもしれません。たまに「これ古いんじゃないの?」とかいうものにあたっても、気の抜けたような味ですが、まあ飲めます。
【補足】もちろん深煎りでも新鮮さは重要です。古い豆はあくまで「なんとか飲める」というぐらいなので、結局のところちゃんと新鮮な状態で管理されたお店を見つけるのが一番です。
それでも「品質のいまいちな浅煎り豆」は、舌がヒリヒリするような酸っぱさがあって、コーヒーそのものがキライになりかねないぐらいのインパクトがあるので、それよりは多少マシだと思います。
まあ深煎りコーヒーの苦さも、これはこれでコーヒーがキライになるかもしれないので、あまり極端な「極深煎り」よりも、中間的な「中深煎り」ぐらいが、そこまでクセがなく、かつ美味しいお店だととことんよさが味わえると思います。
くりかえしになりますが、そもそも『いまいちな豆』ではなく『良質な豆』を出してくれる店をはやく見つけるのが一番です。そうすればあとは深煎りでも浅煎りでも大丈夫です。
大切なのは
・そのお店が良質なものを出しているか
・それが自分の好みにあっているか
・それが自分の好みにあっているか
なので、あまり杓子定規に「コーヒーはこうあるべき」と決めるより、ちゃんと管理した豆でていねいにいれてくれるお店、そして自分の好きな味をさがすほうが楽しいと思いますよ。
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タグ:コーヒー
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