パンケーキとホットケーキの違い、実はあいまい?
「ホットケーキっておいしいものなんだ!」
子供のころは嬉しいおやつだったものですが、
大人になると、そんな食べることもありません。
流行りのお店では、
だいたい「パンケーキ」という名前で売られて、
ホットケーキといえば、昔ながらの喫茶店にある
下手すれば冷凍ものだったりします。
しかし、そのお店で食べたのは
生地が最初はカリっとして、食べるとフワフワ。
それはそれは美味しいものでした。
あえて、いま流行りのパンケーキではなく
ホットケーキとして売っているところに
こだわりといいますか、
「そのへんの流行りものとは違いますよ」
といった地に足がついたような、力強さを感じます。
ならばパンケーキとホットケーキの違いについて、
この人なら、熱く語ってくれるにちがいない!
と、聞いたところ、
「とくに明確な違いはないようですよー」
あそうですか。
とくに違いはないんですって。
調べてみると、その通りで
厳密な定義のようなものはないようです。
まあでも、世間ではこの両者は
なんとなく、別物として扱われといますね。
具体的にどう違うの?
と聞かれると、大変返答に窮するこの問題について
今回は追及していきます。
なぜふたつの呼び名が生まれたか
どことなくホットケーキのほうが
昭和の香りといいますか、古風な雰囲気が漂いますが
世界的に見れば、パンケーキのほうが元祖です。
それも古代からあったというので
昭和どころの話じゃないですね。
英語ではpancakeで、panとは「平たい鍋状のもの」
つまり、フライパンなどで小麦粉などを焼いたものという、
もともと実にあいまいな定義の料理なのです。
平たい鍋状のもので小麦粉を焼いた料理、
そりゃ、まあそういうものは昔からあったでしょう。
なので広い意味ではクレープやガレットも
パンケーキの一種になります。
外人にお好み焼きをパンケーキと言われると
なんじゃそら、となりますが、この定義でいくなら
まあそれも間違いではないですね。
ただ、一般的にはやはり、
小麦粉を卵や牛乳などで溶いて丸く焼いた
お馴染みのものをさします。
対するホットケーキという呼び名は
いつ生まれたかというと、日本に入って来たときに、
「熱いケーキだ!」
ということで、そう呼ばれるようになりました。
そのまんま。
パンケーキは「パンみたいなケーキだから」
と見たままの印象で考えると間違いなのですが、
ホットケーキは見たままの理由というのは、
まるで引っかけ問題のようです。
また、お店でハットケーキとして提供されたものが
転じてホットケーキとなったという説もあります。
ただ、北米でもホットケーキという呼び名があって
日本と同様に分厚いものを呼ぶようなので、
本当に日本発祥の呼び名か? というと少々疑問も。
まあ、見たまんまのネーミングなので
たまたま両方の国で、同じ呼び名がされるようになった
ということは、充分考えられそうです。
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じょじょに別物(?)に
まあそんなわけで、
違いというのもあってなきが如しの両者ではありますが、
問題は、ホットケーキが昭和の日本において、
独自の地位を確立していくことから始まります。
すなわち
喫茶店の定番メニュー
子供に人気のおやつ
その形はベーキングパウダーによって膨らみ、
ホットケーキミックスなる粉が売られて手軽になり、
子供の人気に合わせて甘くなっていきます。
そして、
「分厚い」「甘い」「おやつ」「懐かしい」
といったイメージがつくように。
ただ、それだけなら問題ありません。
小麦粉を使って焼いたものには違いありませんから、
味や形に違いはあれど、パンケーキです。
ややこしくなったのは
平成になって、パンケーキが
再びブームとなって、やってきたこと。
こちらはスリムな体に色とりどりのフルーツ
生地の甘さは控えめなかわりに
たっぷりとしたホイップクリームを使った
華やかなスイーツとして、
あるいは卵やベーコンが乗った
スタイリッシュな食事として。
それまでのホットケーキを嘲笑うかのような華麗な登場です。
まあもともとパンケーキはそういった食べ物なんですが。
そして、ブームとともに
「薄い」「おしやれ」「食事にもおやつにも」
といったイメージがつくようになります。
極め付けはこれらはあくまでもイメージであって
正式な違いとしてどこかの団体が定義しているとか
そういう類いのものではないこと。
正式に決まってないものの常として
諸説が飛び交い入り乱れて
なんだか分からなくなっている状況です。
そしてホットケーキは
- 厚い
- 甘い
- 柔らかい
- 大きい
- 水分が多い
- おやつ
- 家庭で食べるもの
パンケーキは
- 薄い
- 甘さひかえめ
- やや固め
- 小さい
- 水分少なめ
- おやつとしても食事としても
- お店で食べるもの
と、実にいろいろな違いが言われています。
なんか、これからもっと増えていきそうな気もします。
一般的には
ホットケーキは分厚くておやつ
パンケーキは薄くて食事にもデザートにも
という認識が広まっているので
いずれひょっとして
日本パンケーキ協会みたいなのができて
「厚さ○○ミリ以上で砂糖の割合が
これこれ以上のものがホットケーキ」
みたいな決まりができるかもしれませんね。
ただ、少なくとも現在は、最初に述べたように
明確な違いが決まっているわけではないので
お店が呼んでいる名前に合せたほうがよさそうです。
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